太陽に恋をして
「大阪支店？」


朝のミーティング、桐谷店長の言葉に周りのスタッフがざわつく。


桐谷店長はみんなが静かになるのを待ってから続けた。


「今年の四月に、hair BLISS初の大阪支店が出来る、らしい。場所は聞いたけど忘れた。北の方だったと思う。梅田のあたりだったかな？」


桐谷店長は顎をさすりながら眉を寄せた。

「で、オープンに伴って、この店から2、3人欲しいらしい。向こうでももちろん募集はするけど、なんせ関西初出店だからな。上のやつらも気合いが入ってるんだろう」


桐谷店長はにやり、と笑ってスタッフを見回した。


「スタイリストでもアシスタントでもいい。行きたい、ってやついるか？新規オープンだし、指名客がつくチャンスはあると思う。ま、俺としてはせったく育てたスタッフを大阪にやるのはちょっと悔しいけどな」


スタッフはみな、お互いに顔を見合わせて困惑した表情を浮かべている。


「今すぐとは言わん。よく考えて決めてくれ。以上」


店長の言葉にそれぞれの仕事に取りかかりながらも、みんな思案しているようだった。




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