恋は夕焼けに溶けて
下級生だろうか、
おとなしそうな女の子だった。

女の子は、俯き
唇を噛んで立ちすくんでいる。


それはそうだろう…。
仮にもお嬢さまが、こんなところで服を脱ぐはずもない。


ところが
女の子は意を決したように、制服の上着を脱ぎ始めた。


え?!

さすがの事に驚いて
止めに入ろうと一歩踏み出すと
「ララ」
後ろから呼び止められた。

「洸…」

振り返るとそこには西園寺洸(さいおんじ あきら)がいて、
 柔らかい微笑みを浮かべながら、左右に首を振る。
心配ないよと言うように…。


洸はそのまま二人のいる場所に歩いていくと
女の子が脱ぎ捨てた上着を拾って、そっと肩に掛けた。
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