恋は夕焼けに溶けて
そして何もなかったようた仁に声を掛け
「お待たせ」
二人は楽しそうに何事かを話ながら、
そのまま行ってしまった。



・・・



私はひとり、そのままベンチに座り
池を泳ぐカルガモをぼんやりと見つめていると

やがて
ポツポツと、街灯の明かりがつきはじめた。


気が付けば、迷子のように泣いていた女の子も 
いつの間にかいなくなっている。



―― 洸が来なかったら

あの子は どうするつもりだったのだろう…

  仁は どうするつもりつもりだったのだろう…



時折吹く柔らかい風が、そんなことを想う私の髪を靡かせた。

胸に込み上げる切なさは
 あの子の涙のせいなのか…。


池の水面はキラキラと輝き
 影になったカルガモが、夕暮れの寂しさを募らせる。


届かぬ想いは、哀しみをのせて
 どこに行きつくのだろう…。


見上げた夕焼けは 泣きたくなるほど綺麗で
 やるせないほど儚く 闇に呑まれようとしていた…。
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