僕の好きな女の子
その日を境に希華ちゃんから少しずつ笑顔が消えていったんだ。
次の日希華ちゃんはいつも通り学校に行った。
ボクは心配でしかたがなかった。
今、キミは笑っているんだろいか?
また泣いてないだろうか?
ボクはこの家から出ることは出来ない。
ただただキミが笑顔でいてくれる事だけを願うしか出来ないんだ。
夕方帰ってきた希華ちゃんは、やっぱり笑顔ではなくて、それどころか制服が汚れていたんだ。
部屋で鞄を開け中から出された教科書やノートは真っ黒で、ボクにもソレが使えない事ぐらいわかった。
その真っ黒に塗りつぶされた教科書やノートを見つめ希華ちゃんは呟いた。
「これじゃ勉強できないや。」
そう呟いた希華ちゃんの顔は無表情だった。
希華ちゃん…それってイジメじゃないの?
昔一緒にテレビでドラマってやつ見たよね?!
同じ事してたよね?
希華ちゃん…イジメられてるの?
「とりあえず夏休みまでは…!!」
希華ちゃんがそう言って教科書やノートを鞄になおした。
夏休みまでは我慢するってことだよね?
それって解決にはならないよ。
希華ちゃんパパさんとママさんに言おうよ。
きっと助けてくれるよ。
「クーちゃん…私頑張るからね。」
ベッドに座ってキミを見つめるボクに希華ちゃんが笑ってみせた。
希華ちゃん、それ笑顔じゃないよ。
だって涙、こぼれそうだよ。
それから希華ちゃんは夏休みに入るまで学校に行ったけど、教科書はいつも真っ黒だった。
日に日にイジメは酷くなっていった。
制服が汚れたりする時もあった。
体操服が破かれてたりした。
希華ちゃんはママさんに嘘をついては新しく買っていた。
そんな希華ちゃんをボクは見てるだけしかできない。
人間の言葉が話せたら…と何度思い何度、神さまにお願いしたかわからなかった。
希華ちゃんがお風呂に入ってる時、ママさんがボクを抱き上げ問いかけてきた。
「クーちゃん、希華なんか隠してるような気がするのよね…。って、あなたに聞いても仕方がないか。」
そう言って、またボクを下ろして台所に行ってしまった。
ママさんは希華ちゃんの様子が違ってるのに気づいてるんだと思った。
なのになんで何も聞かないんだろう…。
夏休みになって希華ちゃんは毎日家に居て、毎日ボクと過ごした。
毎年行っていた海へは今年は行かなかった。
パパさんもママさんもお仕事で休みが取れなかった。
だから小さな庭で水遊びをしたんだ。
ボクはイスに座らされて希華ちゃんを見ていた。
ホースから溢れ出る水を浴び、はしゃいでる希華ちゃんは笑っていて久しぶりに見せる笑顔だった。
ホースを上に向け雨の様に水が降ってくる。
その下でクルクルと回って見せていた希華ちゃんはピタリと動きを止めた。
「同じ水なのに、クーちゃんと一緒にいる、この水はなんで温かいんだろう。」
そう言って泣いた。
あれは水じゃない。
希華ちゃんの涙だった。
次の日希華ちゃんはいつも通り学校に行った。
ボクは心配でしかたがなかった。
今、キミは笑っているんだろいか?
また泣いてないだろうか?
ボクはこの家から出ることは出来ない。
ただただキミが笑顔でいてくれる事だけを願うしか出来ないんだ。
夕方帰ってきた希華ちゃんは、やっぱり笑顔ではなくて、それどころか制服が汚れていたんだ。
部屋で鞄を開け中から出された教科書やノートは真っ黒で、ボクにもソレが使えない事ぐらいわかった。
その真っ黒に塗りつぶされた教科書やノートを見つめ希華ちゃんは呟いた。
「これじゃ勉強できないや。」
そう呟いた希華ちゃんの顔は無表情だった。
希華ちゃん…それってイジメじゃないの?
昔一緒にテレビでドラマってやつ見たよね?!
同じ事してたよね?
希華ちゃん…イジメられてるの?
「とりあえず夏休みまでは…!!」
希華ちゃんがそう言って教科書やノートを鞄になおした。
夏休みまでは我慢するってことだよね?
それって解決にはならないよ。
希華ちゃんパパさんとママさんに言おうよ。
きっと助けてくれるよ。
「クーちゃん…私頑張るからね。」
ベッドに座ってキミを見つめるボクに希華ちゃんが笑ってみせた。
希華ちゃん、それ笑顔じゃないよ。
だって涙、こぼれそうだよ。
それから希華ちゃんは夏休みに入るまで学校に行ったけど、教科書はいつも真っ黒だった。
日に日にイジメは酷くなっていった。
制服が汚れたりする時もあった。
体操服が破かれてたりした。
希華ちゃんはママさんに嘘をついては新しく買っていた。
そんな希華ちゃんをボクは見てるだけしかできない。
人間の言葉が話せたら…と何度思い何度、神さまにお願いしたかわからなかった。
希華ちゃんがお風呂に入ってる時、ママさんがボクを抱き上げ問いかけてきた。
「クーちゃん、希華なんか隠してるような気がするのよね…。って、あなたに聞いても仕方がないか。」
そう言って、またボクを下ろして台所に行ってしまった。
ママさんは希華ちゃんの様子が違ってるのに気づいてるんだと思った。
なのになんで何も聞かないんだろう…。
夏休みになって希華ちゃんは毎日家に居て、毎日ボクと過ごした。
毎年行っていた海へは今年は行かなかった。
パパさんもママさんもお仕事で休みが取れなかった。
だから小さな庭で水遊びをしたんだ。
ボクはイスに座らされて希華ちゃんを見ていた。
ホースから溢れ出る水を浴び、はしゃいでる希華ちゃんは笑っていて久しぶりに見せる笑顔だった。
ホースを上に向け雨の様に水が降ってくる。
その下でクルクルと回って見せていた希華ちゃんはピタリと動きを止めた。
「同じ水なのに、クーちゃんと一緒にいる、この水はなんで温かいんだろう。」
そう言って泣いた。
あれは水じゃない。
希華ちゃんの涙だった。