シャイな彼女と月島くん
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実行に移したのは六限目の英語の授業中。
偶然にも科目が英語で良かった。
かなり自然な感じでこれを相原に渡せる。
ノートの端を少し千切って、そこに和訳問題を一つ書く。
“I love youを日本語に訳すと?”
メモ用紙代わりの紙切れをスッと隣の机に置けば、相原が首を傾けて俺からの問いを読んだ。
少しして返ってきた答えは“愛してる”。
正解なようで不正解。
俺の考えた答えとは違うから、紙切れにはこう返事を書いた。
“残念、不正解。答えは放課後、教えてあげる”