シャイな彼女と月島くん
女子の言葉を聞きながら、昨日の相原を思い出す。
昨日、自室で相原はたくさん声を聞かせてくれた。
とっても楽しそうに喋ってくれた。
俺は相原の遠慮がちな細い声に耳を傾けて。
ゆったりした空間で、焦ることなく会話する時間をスゲー心地好く感じた。
なんか喋ろ、だって?
相原の言葉を聞こうとしてないのはお前らの方だろう?
一方的に自分達の言葉を押し付けて相原の声を殺してんだよ。
「美月」
これ見よがしに呼んでやった。
教室内で。
女子どもがいる前で。
相原を――美月を真っ直ぐ見つめて。