シャイな彼女と月島くん
「かなり痛そうだったよ!男子が打ったサーブもろに頭で受けちゃってさ」
「うわーカワイソ。誰ぇ?」
「二組の…相原さん、だっけ?」
近くを通った女子の会話が耳に入った。
相原?今、相原って言ったか?
「二組の相原が、どうしたの?」
呼び止めて詳細を聞き出す。
「えっ…あ…相原さんが倒れたんだよ。頭打って。今さっき保健室に…」
「相原が!?」
バレーボール選択の相原は、隣の大体育館で試合中だったはずだ。
「すまん野々宮!」
ラケットを放り出して駆け出す。
「お、お~い、月島!?試合放棄か!?」
「お前の勝ちでいい!」
相原が、倒れた。
頭に男子のサーブもろにくらって。
その加害者野郎、半殺しにしてやろうか。