天才陰陽師〜始まりの話〜
昌義は、悔しそうな顔で頷く。陰陽師とはこういうものだ。

頭ではわかっているが、なんとも言えない気持ちになる。

「さあ、帰りましょ。」

太陰が、手を差し出す。その手を昌義が取る。

太陰の手が暖かく、優しい。

昌義は泣きそうになるのをこらえつつ、太陰を見る。

「これからよろしくね。」

太陰はそう微笑んだ。

「こちらこそ、よろしく。」

昌義もしっかり太陰を見て微笑んだ。
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