天才陰陽師〜始まりの話〜
次の日の戌の刻。

例の屋敷に赴く昌義。

「ここって確か有名なお化け屋敷。」

昌義が急に首を触る。嫌な感じがする。そう呟いた。

そして周りをゆっくりと見回す。

少し古いが至って普通の家。

黒い靄が屋敷の奥から立ち込めてくる。

「憎い、あいつが憎い。」

奥から低い、静かな、しかしかなりの憎悪を含んでる声が響く。

「行くか。」

怖気づいている暇はない。更に奥へと足を進める。

奥に進むとさらに濃くなった黒い靄。

昌義はいきを吸った。
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