天才陰陽師〜始まりの話〜
太陰がのんびりと観戦している中、昌義は苦戦を強いられていた。

なるべく、浄霊をしたい。

しかし、昌義はうすうす感づいていた。この霊はもう手遅れだと。

「畜生、もうやるしかないのか。」

そう言った昌義は腹を決めたようで、真っ直ぐ霊を見つめる。

「あら、昌義。決心ができたみたいね。」

太陰が目を細める。

「オン、マカラギャ、バゾロシュニシャ、バザラサトバ、ジャクウン、バンコク!」

昌義が叫ぶ。すると攻撃があたり、霊が苦しそうな声をあげる。
昌義は顔をしかめる。

長くこの世をさまよっていたのか、ダメージがでかい。

そして、ゆっくりと消滅していく。

「ゴメンな、救えなくて。」

ポツリと昌義がつぶやく。そんな昌義の
の横に太陰が飛びおりる。

「時には心を鬼にすることも大切よ。」

よく頑張ったわねと、昌義の頭を撫でる。
< 9 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop