俺のモノ
「………悪ぃ、俺帰るわ。」
「…はっ!?え!?帰んの!?」
悪いと思いながらも彼方の声を無視して俺は教室を出た。
帰る前にある場所に寄る。
それは2つ下の学年のとあるクラスだ。
萌香のクラスでもある1―2。
その教室にたどり着き萌香を探す。
ドアのところから中を覗くとたちまちたくさんの視線を浴びる。とてつもなく居心地悪いが今はそんなこと気にしている場合ではない。
「あれ……お兄ちゃん…?」
すると背後から萌香の声がした。
「萌香………」
「?」
探していた萌香はどうしたのといわんばかりの様子で首をコテンとかしげている。
いつもは可愛く見えて仕方ないその仕草も今は逆に苛立ちが募っていくばかり。