彼と私の秘密の恋
「ねー!琴音もくるでしょ!?琴音いないとつまんないっ!!」


さっきから、海の家のカウンターで私に絡んでくるのは高校の同級生で同じ軽音楽部だったユキだ。


「んーでも仕事あるしなぁ。」


私はお客さんの食べ終わった食器を片付けながら、ユキと話す。


「なんでっ!いいじゃん!!ちょっとそこの子!!」


ユキは、お皿を下げていたバイトの田代君に絡む。


「終業式の日、学校終わってからバイト入ってよ!」


ユキがすごい剣幕で言うから田代君は、

「…はい。」


と答えてしまう。


「ちょっと!!ユキ!!」



「いいじゃん!………幸多先輩は来ないから。」


ユキがそう言うと私達は黙ってしまう。
高校生だったあの日、私の告白を手伝ってくれた人達には幸多と別れた事を報告した。



「……まぁまぁ、行ってくればいいんじゃない?海の家の方は俺やるし。たまにはビキニの女の子拝まないとね。」


「さっすが、山下さん!話、わかりますねー!」


そう言ってユキは、山下さんにビールをつぐ。


山下さんに言われたし、幸多もこないのなら……


私は小さくため息をつくと


「わかった、わかった。行けばいいんでしょ!!」


「やったぁー!じゃあ終業式の日、海の高校のビーチに集合ね!」


そう言うと、ユキは、ビールを一気に飲み干した。
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