彼と私の秘密の恋
「…な。なんで幸多がいるの?」


突然のことに震えが止まらない。


振り返って幸多の顔を見ることもできない。


「なんでって……お前を迎えにきたんだよ。」


幸多はそう言って、部室に積み上げてあった机の上に私を座らせる。


「琴音。」


幸多は真っすぐに私を見る。


「ぃや、」


私は幸多を見ることが出来なくて下を向く。


「琴音。こっち見て。今から一生で一番大事な事を言うから。」



そう言われて私は幸多を見つめる。


「……琴音。結婚しよう。もう俺達の事を秘密にしなくていい。堂々と二人で歩いていこう。誰に隠すこともない。俺は琴音以外いらないから。」


「琴音、愛してる。」


幸多の顔はみるみるうちに真っ赤に染まっていった。


「……だーっ!!恥ずかしいっ!!曲書くより恥ずかしい!!」


幸多は、髪をグシャグシャにする。


「……事務所は?いいの?」


私は声を詰まらせて聞く。


「あ?もちろん了承済みだよ!そのために一年頑張ったんだ!!……で?返事は??」


「……幸多。愛してるよ。私に幸多の隣を歩かせて下さいっ。」


「っつ!」


幸多は何も言わないけど、きっとあの日みたいに顔を真っ赤にせて、コクコクと頷いているのかな?


涙で視界が滲んでよくわかんないや。


「琴音!!愛してる!」


そう言って幸多は私を抱き寄せてキスをした。
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