彼と私の秘密の恋

「あ、はい。まぁ…」


私は言葉を濁す。
来週は私の誕生日。幸多は絶対に会いに来るから空けといてって言った。

でももぅそれも、半年前の話。
誕生日が来週に迫っているけど幸多からは何の連絡もない。


会えるのか、会えないのか。


私の心は、幸多に会いたいよ。でももう何度も約束を破られて、期待しないように。と理性がいう。


誕生日という、ワードに気持ちが重くなる。



「あー幸多か。」


「ちょっ！！山下さん！！」


私は慌てて山下さんの口を抑える。


私は高校からカフェでバイトしていたし、幸多も何度か店に顔を出していたから私達の事は山下さんも知ってる。


「連絡ないの？」


山下さんは、売り物の焼きそばを食べながら言う。


「あーうん。…まだ。いちお、シフトは休みにしてますけどね。」


「まぁーアイツも忙しいだろうしな。まっアイツが無理なら言えよ。俺が祝ってやる。」


山下さんはそう言ってまた、私の頭をポンポンとする。


自惚れちゃうけど、山下さんに彼女がいないのは…


なんて思ってみたり。



ねぇ。幸多。
私はずっと幸多が好きだよ？
だからお願い。私が幸多の彼女だって自信を持たせてよ。
じゃなきゃ、私、幸多を待っていられないよ。