先生、と呼べなくなる日まで。
夕日の姿が見えなくなって、そこで私はハッと我に返って先生と輝の話している方を振り向いた。
勢いよく振り向いたので、
私の高い位置で結んだ少し長めのポニーテールが揺れ、バサッと音を立てた。
先生はそれに気づき、こちらを見た。
先生と目が合う。
彼の、色素の薄い茶色い瞳の奥に私が映っている。
先生の瞳の中の私は、説明しろと言われてもできない、そんな表情をしていた。
私が今までに見てきた他人の表情、映画、ドラマ、マンガ。
その中のどれにも、出てこない。
私はもっと見つめる。
彼を、でもなく彼の瞳を、でもない。
彼の瞳の中の私を。
その時私は確信する。
私は、この人に恋に堕ちた。