【短】夏色ストロベリー
試着室の中に入ったのはいいけど…


あたし、着れないよぉ…


なんで、こんなわけわかんない恐怖症になっちゃったんだろ…


水はわかるとして、水着とか本当ありえないよね…



「最悪…」



あたしはそう呟いて、決心した。


あたしは今、水着と戦ってるの。


水着を着れたらあたしの勝ち。


着れなかったら水着の勝ち。



「ショウタ、いる?」


「いるよ。どしたの?」



あたしはカーテン越しにショウタに話しかけた。



「あたし、今から水着着る」


「マジで!?!?早く着てみてよ!」



本当は、飽きられてるかもって心配だった。


毎年買い物とか遊園地だけで、海とかプールに行けないあたしを、うざがってるのかと思ってた。


でも、信じていいよね?

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