好きになった相手には大体相手がいるんです
くそ~~~~!!

「だったら・・・・だったらなんで昨日追い掛けてこなかったのよ!」

言葉と一緒に涙が溢れて

子供みたいに泣き出した。鼻水まで出て来ちゃったわよ

「なんれよー・・・うわ~~~」

大人げない泣き方の私を悠木君が抱きしめた。

「仕方ないだろ。詩真が出てった時、俺バスローブ1枚だったんだよ。
それから着替えて追いかけたって捕まる訳なかったし、家に行ったところで
詩真がすんなりドアを開けてくれるなんて思えなかった」

「・・・・・・」

たしかにその通りだと思った。

「詩真」

「はい」

悠木君が泣いてる私の頭をゆっくりと撫でる。

「俺、詩真が思っている以上に詩真の事好きなんだけど」

「へ?」

涙と鼻水のみっともない顔を上げると悠木君は笑いを堪えていた。

「そりゃ~最初は戸惑ったさ。希の親友だしね。でも詩真のいいとこ
たくさん見つけた。昨日は本当に詩真との距離を縮めたかったんだ。
言葉足らずだったし正直がっついてたのは悪かったけど・・・もう誰にも遠慮せず
自分のものにしたかった。特に戸田にはとられたくなかったしね」

何さらっと物凄い事言うの?

涙も凄いけど、心臓が半端なくドキドキしていた。

こんなの体によくない。よくないけど幸せかも・・・

悠木君は私の机の上のティッシュを2枚取ると

顔から溢れる水分を綺麗に拭き取った。

さすがに鼻水は遠慮してもらった。
< 100 / 125 >

この作品をシェア

pagetop