好きになった相手には大体相手がいるんです
一体希は悠木君に私の何を話していたの?

凄くおっちょこちょいでどんくさくておまけにずぼらなところも話したのか?

電車から降りようとした時扉が閉まって私の体にバイ~~ンって当たったと思ったら

また扉が開いたとか、窓に写るちょっとかっこいいイケメンをガン見してたら

何度か目があった気がしたがまさか窓越しでも目が合うという事を知らず数カ月も

そのイケメンを見続けてたとか・・・

扉が閉まる寸前に階段を降りながら大声で「待って~~~」と叫んで

扉を開けさせたこととか・・・・言ったのかな・・・

頭の中で自分の失態ベスト5を思いだしていると

何だか前方で笑い声が聞こえてきた。

「あ~~詩真ちゃん。サイコーだね。またなんか考えてたでしょ?
 ・・・でもよかった。詩真ちゃんがいてくれて・・・」

その言葉だけは聞き逃さなかった。

私がいてくれてよかった?

そんな事言ってくれたら私期待しちゃうよ~~!!

あ~~でもだめだめ普通にしてなきゃ。

好きだけど恋愛はフェアじゃないとダメ。
(勝手な持論だけど・・・)

「も~~!こうなったら今日はガンガン飲もう!」

半分やけくそだった。

「いいね~~詩真ちゃん。ガンガン飲もう~~かんぱ~~い」

そうだ飲んで悠木君の事がめっちゃ好きな事も

希が戸田君の事好きになっちゃってる事も

忘れちゃうほど飲んじゃうぞ~~

私は手元のノンアルコールカクテルを掲げて悠木君と乾杯した。

そうだった。


私お酒飲めない人だったわ・・・

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