好きになった相手には大体相手がいるんです
「私と詩真が仲がいいって事を誰かから聞いて、戸田君から詩真の事で
何度か相談を受けてたの・・・」

知らなかった。

「相談を受けているうちに戸田君が気になっちゃって・・・
気がついたら雅臣よりも・・・」

私って本当にバカ。

自分の事ばかりで希の変化にも気がついてなかった。

「・・・・希・・・ごめん」

何に対してのごめんなのか自分でもよくわからなかった。

でもごめんとしか言いようがなかった。

そして希は

「こんなこと言いたかないけど、雅臣は私と別れることを拒んでる。
 今、詩真が勢いで告白しても雅臣は詩真の良さがわかってないから
詩真の告白を受け入れないかも知れない。
 でも私は敢えて協力はしないよ。自分の力で雅臣を振り向かせてみなさい。」

「希・・・」

「って事で、雅臣の事よろしくね。・・・そしてお互い頑張りましょう。
私は詩真の事を好きな戸田君を振り向かせる。詩真は私の彼、雅臣を
振り向かせるってことで・・・じゃあ・・・」

電話は切れた。

とんでもないことになったと思った。

そして、悠木君はやっぱり希が好きなんだって・・・

こんなに近くにいるの手が届きそうで届かない・・・

< 16 / 125 >

この作品をシェア

pagetop