好きになった相手には大体相手がいるんです
すっかり冷えてしまったカフェラテ・・・

本当なら

二人でふーふーしながら

飲む予定だったけど、ふーふーどころか常温で飲んでも大丈夫な温度・・・

さすがにこれは出せないよね。

私は自分のマグカップの中身はそのままにして

悠木君の分だけを作り直そうとしていた。

マグカップを持ってシンクに流そうとしていると

後ろから私を呼ぶ声がして振り返った。

「悠木君・・どうしたの?」

悠木君は私の持っているマグカップを指さし、どうしたのかと聞いてきた。

冷たいくなったから作り直すと言ったら冷たくていいと言った。



結局2人で・・・しかもキッチンで立ったまま常温カフェラテを飲んだ・・・

暫く会話はなかったが、カフェラテを飲み終えた悠木君はマグカップを置くと私に視線を向けた。

「ごちそうさま・・・ところでさ、詩真ちゃんって今日この後予定とかある?」

予定なんてあるはずがない!

友達はみんな彼氏持ちで、私の休日と言ったら

全てにおいて「おひとりさま」という言葉がついてくる。

おひとり様でショッピング。おひとり様でランチ

おひとり様に慣れたおかげで一人でカフェでお茶するなんてへでもなくなった。

でも悠木くんの前で予定がないと即答するのはなんだか言いたくなくて

わざとバッグからスケジュール表を取り出し

予定が歩かないかをみた(勿論まっさらだけど・・・)

「え~~っと今日は・・特に予定ないけど・・・」

今日もだけどね・・・でもこのくらいの見栄を張るくらい許して。

悠木君は何か考えている様だったがすぐに笑顔を見せ

「そんじゃ~~。今回のお礼にランチご馳走させてくれないかな?」
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