好きになった相手には大体相手がいるんです
ええええ?うそ~~!

これって夢じゃないよね!頬をつねってみた気持ちをグッと堪えた。

だって・・・2人でってことだよね。

めっちゃうれしい!はい!って二つ返事で答えたいのに

「そ・・そんな・・別にいいよ。お礼されるほどの事してないし」

って心にもないこと言ってしまった。

これでもし悠木君が、そうなの?じゃあまた次回ね。

なーんて笑顔で言っちゃたら私・・・多分今日は一日一人寝だよ。

・・・・お願いもう一回誘ってそうしたら「はい」って答えるから。

どんだけ我儘なんだよ・・・


「いやいや・・・男の俺をここまで運ぶって相当大変なのわかってるし
 詩真ちゃんにはいろいろと迷惑かけてるんじゃないかなって・・・
 とりあえず俺、着替えたいから一度自宅に戻って11時ごろ迎えに来るからちょっと待っててくれる?」

ちょとーうそでしょ?迎えに来てくれるの?

どうしよう・・・泣きそう。


悠木君の言葉に私は完全に硬直状態だった。

「・・・詩真ちゃん?」

「は・・はい!」

「・・・迷惑だった?」

私の機嫌を伺うような顔で聞かれた私は全力で否定した。

「と・・とんでもないです。私・・・待ってます!待ってますから!」


それから悠木君は自宅へと帰っていった。


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