好きになった相手には大体相手がいるんです
定時30分前に

悠木君から1時間程残業になったとメールが来た。

だが逆にその方が私からしたら好都合だった。

私も、少し仕事が残っているので残業します。

終わったら連絡くださいと返信してパソコンのキーを再び叩いた。


終業の音楽が流れ、数分経った頃スマホの着信音が鳴った。

相手は希だった。

私は席を立ち給湯室へと移動した。

「もしもし?希?」

『忙しかった?』

「ううん大丈夫、悠木君、少し残業になったから私も少しやってこうと思って・・・」

1階ロビーで待ってると戸田君に見つかりそうだし、休憩室でぼーっとしてると

緊張感が増しそうだったからだ。

『そっか~私は今から行くね。詩真の事は私が言うから詩真は
 悠木君と頑張って!...あんまり暴走しないでね』

・・・それはお互いさまでしょ~と思ったが・・・

「お互い頑張ろうね!」

『うん』

希と私は互いの健闘を祈ったのだった。

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