好きになった相手には大体相手がいるんです
「お疲れ様」

「お疲れ様です」

うっ・・・何も持ってない右手がもどかしい・・・


「取りあえず・・出ようか」

私は悠木君の顔をまともに見れなかった。

だって手ぶらなんだもん・・そんなの見ればわかるよね。

悠木君の私物は悠木君本人が良くわかってるんだし・・・

なんか言われるのかな・・・・そう思うと顔を上げる事ができなかった。

会社を出てしばらく歩いているとメールの着信音がなりポケットから

スマホを取り出した。

希からだった。

悠木君に見えないようにそっとタップすると

そこには・・・


『戸田君と二人で飲んでます。詩真に感謝!そして詩真もガンバ』


頑張れる自信がないかも・・・・

と思いながら、私はスマホをしまった。

「詩真ちゃん」

「は・・はい」

やだ~私ったら思いっきりどもっちゃってる・・・

「そんな驚かないで。・・・・私物はー詩真ちゃんの家?」

「え?!」
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