好きになった相手には大体相手がいるんです

割り箸じゃなく悠木君専用の箸でもあればいいのに・・・

悠木君の持つ割り箸が今の私と悠木君の距離を表わしている様だった。


「お・・・おいしい！」

悠木君は目を少し大きくしながら私の作った料理を食べてくれている。

「お口にあってよかった」

「いやいや・・・マジおいしい。このほうれん草のおひたしだって
味ついてるけどやさいしい味付けだし魚の焼き加減だって・・・言う事なし」

悠木君はとても美味しそうにご飯のおかわりまでした。

凄くうれしい・・・

こんなにも美味しそうに食べてくれる悠木君・・・

でもこうやって家で食事なんてもう二度とないのかもしれない。

だって私の家に来る理由がないんだもん。

希から預かった悠木君の私物を渡しちゃえば・・・


悠木君専用のお箸をここに用意できるような関係には

とてもなれそうにないと思うとほんの少し気持ちがブルーになった。

もっと悠木君に私の作った料理をたべてほしい・・・・


そんな私の思いは・・・・届くのだろうか・・・・