好きになった相手には大体相手がいるんです
あまりにも予想外な展開に返事も出来ない私に悠木君は

ダメ?とその甘いマスクで首をかしげる。

私は首を左右に振ることしかできなかった。


「な・・なんで?」

うれしいとかありがとうとか返事すりゃいいのに私は

どうしても信じられず、言葉が勝手に出てきていた・・・・


「何でって・・・単純に詩真ちゃんと一緒に詩真ちゃんの作った料理もっと食べたいから
って思ったんだけど・・・俺じゃダメ?」

「ダメな訳ない!」

うれしくてマジ泣きしそうで目をぎゅっと瞑った。


「じゃ~これからは割り箸じゃなくてマイ箸持参しなくちゃね」

悠木君は笑顔で笑ってたけど

私はもうパニック状態だった。


こうなったら胃袋がっつりつかんでやる。

それで私の事好きにさせてやる!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

気がつけば私は悠木君に次は何が食べたいのかを聞いていた。


作った料理は見事に完食。

食後のコーヒーを差し出した後私は、希から預かっていた悠木君の私物の入った袋を差し出した。

「これ・・・希から預かったものです」

「ありがとう」

悠木君は受け取った紙袋の中身を確認すると小さく息を吐き

すぐにその袋を横に置いた。

私が口を出すのはよくないと思い、感心のない振りをしながらコーヒーを一口飲んだ。
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