好きになった相手には大体相手がいるんです
だが、悠木君はそんな私の顔をみるとまた笑いだした。

「詩真ちゃんて本当にわかりやすいよね。本当は気になる?」

まるで私の気持ちに気付いている様にも思えた。

「気になんかなってないよ」

悠木君は苦笑いを浮かべるとソファーにもたれかかった。

「悪かったね・・・俺と希の間に挟まれて。でもこれは別になきゃ困るものでも
ないし・・・捨ててくれてもよかったんだけどね・・・・」

「え?」

「ちょっと前までだったら捨てなかったかもしれなかった。だけど・・・・もういらない」

「なんで?」

悠木君が私をじっと見つめるとまたニヤッと笑った。

「いつまでも過去に縛られたってしょうがないでしょ?それに楽しみが出来た」

「楽しみ?」

私が首をかしげると悠木君は私を指さした。

「そう・・・楽しみ。君だよ詩真ちゃん」

悠木君はフッと笑った。

「希と付き合っていた時は全然気がつかなかったけど・・・詩真ちゃんって俺の事すきでしょ」

「え?」

え?今悠木君なんて言った?

俺の事すきでしょって・・・もしかしてわたしの気持ちってだだ漏れ?!!!! 
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