好きになった相手には大体相手がいるんです
「詩真ちゃんとはゆっくり時間をかけて付き合っていきたいから」


なんじゃそりゃ~

私はもうもう待てません。

この長い長い片思いをしていた年月を考えれば

十分すぎるほどゆっくりだと思う。

そう思うのだけれど一人で野獣化しても惨めなだけで

不本意だけど、初チューはお預けとなった。


それなのに今私の隣には悠木君がいて

私を後ろから抱き締めるように眠っている。

これって完全に蛇の生殺しじゃないのよ~!

こんなことするくらいならさっさとチューしてほしかった。

しかもしっかりとホールドされて身動きが取れない。


何でそうなったかというと

チューが未遂に終わったあとこのやり場のない思いが

涙という形で出てきてしまった。
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