好きになった相手には大体相手がいるんです
ポトッ・・・・

気がつけば手元のスマホが私の膝の上に落ちた。

な・・・なに?

昼間の

『「詩真(しま)~~。ま~た振っちゃったの?もったいないな~~
営業の戸田くんでしょ?あの子凄く人気あるし・・・・まじ私のタイプなんだよね・・・』

は本気発言だったの?

驚きのあまり開いた口がふさがらなかった。


よ~く整理してみると

今日告白してきた戸田君は私の事が好き、でも私は好きな人がいる。

それが希の彼氏の悠木君。その悠木君の彼女である希は戸田君が好き。


・・・どうしたらいいの?


希の爆弾発言を聞いてしまった後は飲み会どころじゃなかった。

恐らく、希が悠木君に別れ話を持ち出したんだろう。

希って昔から思い立ったら即行動。

まさに人生そのものがギャンブラー

時々そんな希の性格が羨ましく感じる。

私なんかあれこれ考えているうちにみんながいいとこ取りして

チャンスを逃しっぱなしの人生だった。

慎重すぎるといえば聞こえはいいが、損している部分の方が多い。

もちろん好物は後で食べる派・・・

頭の中が更にごちゃごちゃして整理に苦労していると・・・・

「詩真ちゃ~~ん。なんか飲んでないみたいだけど・・・楽しんでる?」

悩みの根源である悠木君がチューハイのグラスを持ちながら私の前に座った。
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