好きになった相手には大体相手がいるんです
ガチャ・・・・

バスルームの扉が開いてバスローブ姿の悠木君が立っていた。

私はその瞬間がばっと起き上がりその場で直立不動になった

「何固まってんの?シャワー浴びてきたら?」

いつもと違う感情のない悠木君の声に虚しさを感じた。

うれしくない・・・・

好きな人と一緒なのにうれしくない。

こんなの絶対よくない!


「ごめんなさい。私、シャワーは浴びません。」

「え?・・・俺は構わないけど・・・」

「そうじゃなくて・・・帰ります」

「詩真ちゃん?」

私は横に置いたバッグを持つと悠木君を見つめた。

「今の悠木君の中に私は映ってる?・・・映ってないよね。
 私悠木君の事好きだよ。だけど・・
希の代わりに抱かれるのは嫌・・・だから私帰ります」

「詩真ちゃん!」

「ごめんなさい」

私は悠木君の声に後ろ髪をひかれつつ部屋を出た。

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