好きになった相手には大体相手がいるんです
「やっぱり希を思っていた長さには勝てなかったのかな」
唇が小刻みに震え、目が熱くなる。
目の前の悠木君のマイ箸が徐々にぼやけだした。
「なんで優しくしたのよ。なんで・・・なんで・・思い切り
振ってくれなかったの・・・・中途半端な・・・やさしさなんか・・・
やさしさなんか・・・欲しくなかった。」
私は力なくしゃがみ声を押し殺して泣いた。
泣いても泣いても
悠木君への思いは消せなかった。
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どれだけ泣いても朝は必ずやってくる。
理由をつけて休む事も考えたが
1日休めばまた1日とずるずると休んでしまいそうだからと
折れそうな心を引きずるように家を出た。
そういえば昨日、ソファーにバッグを置いたままスマホを取り出す事もなかった。
どうせ誰からも連絡なんてこなかった・・・そう思いながら
スマホを取り出すと
「・・・何これ・・」
悠木君から着信が8件あった。