好きになった相手には大体相手がいるんです
なんで会いたくない人と会っちゃうんだろう。

っていうかこれは悠木君が私の部署まできたんだけど・・・

もうこの際来たとか会ったとかどうでもいい!!

とにかく突然の事に心臓がバクバクしてキーを叩く手は固まったままだ。

私は視線を避けるように何とか気持ちを落ち着かせようと出来上がった資料に目を通した。

「大きな仕事を任せられたので・・・」

感情を押し殺すように事務的に話す。

「何で電話にでなかった?着信履歴でてただろ?
 今日だって電話をかける時間ぐらいあっただろう?」

悠木君の声はいつもの声よりもかなり低くて

怒りを必死で抑えている様だった。


「何も話すことなんかないから」

無表情で淡々と答えたが・・・

「詩真になくても俺にはある」

悠木君は強い口調で言うと私の席まで近づいてきた。
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