愛は呪縛
「ああ…泣かないで、お姉さん。ほら、笑ってた方が可愛いんだからさ」
ボロボロこぼれる涙。
ツライ…。
止まらない。
「可愛く、ないよ…!私、重いんだからっ…こんな女、全然可愛くな――」
自虐的な言葉を吐き出す口は彼の唇に塞がれた。
強引な、けどどこか優しい深いキスのせいで、更に涙が溢れ出す。
「可愛いよ」
離れた唇で、彼は囁く。
「お姉さんは、可愛い」
真っ直ぐに私を見つめる、清んだ瞳。
「お姉さんの魅力に気づかない奴が見る目ないだけ。だから、自信持って」
ニッコリ笑う彼。
どうして…。
「どうして、そんなに…優しいの…?」
出会って、まだ一日も経っていないのに、彼は私に優し過ぎる。
不審に感じるくらい。