愛は呪縛
本当に、ズルイ人。
落ち込んで弱ってる心に甘い毒を塗り込んでくる。
謝ってるのに全く躊躇いがない。
「俺にしなよ。前の男なんか、すぐ忘れさせてあげるから」
よりギュッと抱きしめられて、心がぐらついた。
だけど。
「む、無理だよ!大輝くんを簡単に忘れられるわけない…!それに…もう一回、大輝くんと話を…」
「俺と浮気しといて何を話すの?」
浮気…。
え……これは、浮気なの…?
「俺に身体許した後に、やり直したいって?本当に言える?」
大輝くんは私が経験なかったって知ってる。
もしヨリが戻ったら、どう説明すればいいんだろう…。
「もうさ、グダグダ考えるのやめない?」
少し苛立った声が私を我に返らせた。
「お姉さんはうっとうしがられてフラれたの。早く割り切って現実を受け入れなよ」