愛は呪縛

「わかっ…てる…。わかってる、けど…」

割り切れないよ。

七年間分の想い――簡単に、忘れられない…。


「だ、いき…くん…」


中学の頃から好きで、彼の背中を追いかけて高校に入って、高三でやっと付き合うまでに至った。

ずっと大輝くん一筋だったから、フラれたショックはかなり深い。

もう誰も好きになれないんじゃないかって思う程。

大輝くん以上に私が好きになる人なんて、きっと現れない。


「愛ってさ、呪いみたいだよね」


不意に口を開いた彼は、喋りながら静かに起き上がった。


「一生解けない呪縛をかけられたお姫様を…俺が必ず助けてあげるよ」


決意を秘めた瞳で見下ろされる。

頬を優しく撫でられて、涙を掬い取られた。


< 14 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop