愛は呪縛
「で、その第一歩。スマホ貸して」
「え…?」
「持ってるでしょ?カバンの中?」
そう言って立ち上がると私のバッグに手を伸ばす。
「あ、お姉さんまだガラケーなんだ。いいの?大学生なのに」
バッグの中からお目当てのものを取り出した彼。
「ガラケーが慣れてて、使いやすいんだもん…。それより…何するの?」
「んー。元カレ離れしてもらうために、アドレスとか消去する」
私のケータイを勝手にいじりながら、しれっと言った年下くん。
「ちょっと!勝手なことしないで…!」
慌ててケータイを奪ったけど遅かった。
「残念でしたー。ほら、貸して。まだやることあるから」
「こ、これ以上、何するの?」
「俺のアドレス登録する。寂しくなったらいつでも連絡ちょうだい」