愛は呪縛
可愛くウインクされても、正直困る。
フラれてすぐ別の人と付き合う気になんてなれないから。
けど、身体は簡単に許してしまったわけで…。
慰めが欲しかったからっていうより、半分自暴自棄になってたのかも。
「お姉さん、今日泊まっていい?」
「は…?え、何言ってるの!?ダメに決まってるでしょ!」
「ちぇー、ダメかぁ…。ならさ、今度の土曜、泊まりに来るから」
待っててね、と言って、また私のケータイをいじり出す。
「君、高校生なら…今日学校は?」
もしかしてサボリ常習犯の不良かなって思ったら、全く違った。
「創立記念日で休み」
ああ…そうですか。
素行の悪さを疑ってごめん。
「あ、ヤバ。着信きた」
突然鳴り出したのは彼のスマホだった。
誰からか確認して年下くんが顔色を変える。
「ちょっとゴメン」
そう言ってからちゃんと服を着ると、彼は私の部屋から出て行った。