愛は呪縛
『最近どうですか?ゆのか先輩とは』
『んー、なんだかな~。この前、志望大学どこだって聞いたら“大輝くんの目指してるとこだよ”とか言って。俺について来る気満々なんだよな。聞けばあいつ、この高校に入ったのも俺が行くからって理由らしいじゃん?自分の好きなとこ受ければいいのに。俺についてきて、やっぱこの大学イヤーとか思ったら馬鹿みたいだろ?』
『ゆのか先輩ならそこんとこもちゃんと考えてそうですけどね』
『そうか?なーんか重いんだよな。ちょっとうっとうしくなってきた』
『え?可愛いじゃないですか。そういう子、俺大好きですよ』
『へー。お前の方がゆのかと気が合うかもな。お前があいつと付き合うか?』
『……奪っていいんですか?』
『べつに構わねーよ。手酷くフった後、のしつけてくれてやる』
『先輩が最低野郎で助かります』
『けど今すぐじゃねーぞ。俺が飽きたら、な』
憎たらしいくらい意地悪げな顔をした大輝先輩。
「遅くなってゴメンね。ゆのか」
君の呪いは、俺が解く。
また心から笑った眩しい笑顔が見たいから。
〔END〕
2016/2/4