愛は呪縛
面倒臭いものを見る目だった。
私は太陽のような大輝くんの笑顔が好きだったのに、向けられた表情は正反対で。
「もうさ、終わりにしねぇ?」
面倒臭いものを見る目から、どうでもいいものを見る目に変わる。
「別れようぜ」
私は、なんて答えれば良かったんだろう。
あまりにも突然過ぎて、言葉を失ったまま呆然としていた。
そんな私に苛立ったのか、大輝くんはお弁当を食べ終わらずに席を立った。
私から離れた。
残されたのは、私と食べかけのお弁当。
フラれたんだ。
そう理解するまで、しばらくかかった。
ゆっくり、お弁当を片付ける。
大輝くんの食べかけ。
頑張って、作ったんだけどな。
この前、卵の味が好みじゃないって言ってたから、今日はリクエスト通りもっと甘くしてみたんだけど。
なんて……こんな私は大輝くんから見たら重かったのか…。
今更、気づかされるなんて…。