愛は呪縛
きっと私はフラれたショックで頭がどうにかなっていたんだ。
じゃなきゃ、普段なら絶対こんなことしない。
大輝くんの言葉が、態度が、表情が――私の思考を狂わせていく。
心に、慰めが欲しい。
「脱がすよ…?」
アパートの自室で。
「お姉さん…」
ベッドの中で、初めて会った男の人と。
「怖がらないで…大丈夫」
大輝くんを思いながら。
「お姉さん…好き。大好き」
嘘の言葉を今だけ、心地好く受け入れて。
「お姉さ……ゆのかっ…!」
外は雨。
さっきの小雨は本格的に降り始め、そのまま太陽を隠した。