愛は呪縛

きっと私はフラれたショックで頭がどうにかなっていたんだ。

じゃなきゃ、普段なら絶対こんなことしない。

大輝くんの言葉が、態度が、表情が――私の思考を狂わせていく。


心に、慰めが欲しい。


「脱がすよ…?」


アパートの自室で。


「お姉さん…」


ベッドの中で、初めて会った男の人と。


「怖がらないで…大丈夫」


大輝くんを思いながら。


「お姉さん…好き。大好き」


嘘の言葉を今だけ、心地好く受け入れて。


「お姉さ……ゆのかっ…!」



外は雨。

さっきの小雨は本格的に降り始め、そのまま太陽を隠した。




< 7 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop