君と過ごした100日間。


そういえば………昨日も急いでるといいつつ歩いてしか帰らなかったよね?


もしかして運動神経よっぽど悪いとか?



「ねぇ。郁哉。何で走れないの?」



いつもより少し大きな声で遠くにいる郁哉に声をかけた。

なーんにも気にしないで。



「あー。今足の裏、怪我しててさ。」


なるほどね。

だって見た感じ運動神経悪い感じはしないんだもん。

よかった。なんか病気とかじゃなくて。


「麻実ー!おにぃちゃんに迷惑かけないようにねー!!」



それだけ言うと私はいつも座っているベンチに腰かけて手帳サイズの英語の単語帳で勉強を始めた。

こんなにゆっくり勉強できるなんてひさしぶり。



あっという間に3時間くらいがすぎた。



「あーおにぃちゃんもう疲れたよ。ちょっと休憩しようぜ。」


「えーまだ遊びたいー。」



だだをこねる麻実。


「こらー。おにぃちゃんに迷惑かけちゃダメって言ったでしょ?」

「バーカ。こんな小さい子にそんなこと言って分かるもんか。」



私の隣に座りながら郁哉は言った。

そして麻実の手をとって笑顔で話しかけていた。


「今は少し休憩。ずっと遊んでたらおにぃちゃん疲れちゃうよ。だから少しだけ休憩できたらまた遊ぼ。」


「……ん。分かった。」



麻実は渋々了解。



どうして?

私と来たときは納得なんて全然しないのに……。

郁哉……すごすぎるよ。


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