君と過ごした100日間。
「ん……?」
「希ならそう言うと思ったよ。」
え……じゃあもしかして───
「演技だよ。え・ん・ぎ。希なら俺が怒ったら絶対言うこと聞いてくれると思ったからね♪」
あのイジワルそうな笑顔で郁哉に言われた。
もうっ……。
郁哉ってば……。
焦るじゃん!!!
本気でっ!
「バ……バカっ!びっくりするでしょっ!」
「ごめんごめん。」
クククって笑いを抑えながら私の頭を撫でた。
でも……そんなイタズラする郁哉も受け入れられる。
何でだろう……。
それにすごいドキドキしてる……。
「い……いいよっ……。」
「んじゃ明日からなっ。」
………。
はぁ……大丈夫かな?
郁哉に笑われたりしないかな?
うん……少しは出来るってとこ見せないとねっ。
今日は早く帰って練習しよっかな。
「じゃあ……今日は帰るね。」
「へっ?何で?まだ早くね?まだ時間あるだろ?つーか今帰ってもどこ行く気?下手に外歩いてたら補導されんぞ?」
いや……そんなに質問攻めされても……。
私を帰らせたくないってよっぽど暇なんだね。郁哉。
ってかできるんだったらずっと郁哉と話してたいよ………。
家で家事なんかしないでさ。
まあまたそんなこと言ったら郁哉に自分勝手だっ!て怒られちゃうけど………。
「……明日から勉強教えるためだよ。何?教えて欲しくないの?」
少し低めの声で言ってみた。
どんな反応が返ってくるんだろう。
「ふーん。じゃあ希は勉強出来るとかいいながらそんな出来ないんだ。」
………っ!!!
予想外の答え。
仕方ねーなとかそういうしょんぼりした返事を期待してたのにぃー!!
「そ……そんなわけっ……。」
「俺の勝ちだよ。俺のほんとにショック受けた顔見ようなんて100年はえーよ。」
……っ!
バレてた───
もう…ほんとに郁哉には敵わないな……。