君と過ごした100日間。


「…なかなか教えんのうまいじゃん。分かるようになったよ。」


気が付けばもうお昼の時間。



翼さんはもう自分の部屋に戻っていた。


だから談話室は私と郁哉の2人きり。



「だって郁哉がバカすぎるんだもん。」


「……だから前からバカだって言ってるだろ?」


体を反らせながら言う。


「郁哉くん。そろそろ部屋に戻らないと。」



えっと……宮沢さん……だっけ?

走ってこっちに来ながら郁哉に言った。

きっと郁哉のこと探してたんだね。



「へいへい。」



つまらなさそうに返事をして郁哉は立ち上がった。
 


「どーする?部屋で話す?」



どうしようかな?

もっと一緒にいたいな……。



「うん。いいよ。」



荷物を全部片付けて部屋に行く準備をした。


「っで。勉強はできたの?」


宮沢さんが郁哉に聞く。



「んーまぁね。希先生は教えんの上手だから。」


私のほうをちらっと見ながら言う。



「じゃあもしかしたら叶うんじゃない?前に言ってたお…「あーだめだめ。」」


え……何?


急に慌てた郁哉。



「何もねーよ。さっ部屋行こ。」



な……なによぉ。

でも……聞いちゃいけないんだよね?


ほんとはもっと……郁哉のこと……知りたいのに。


< 56 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop