ハナミズキは白く咲き誇る
「洸は?」
「カフェテリアにいる」
仁はハンバーガーを食べ始めたので
話はそれだけにして
私もサンドイッチを手に取った。
「ララ
佐久間のパーティ 行くのか?」
──佐久間のパーティ
週末、佐久間将(さくますすむ)のバースディパーティがある。
私はずっと誘われていた。
「…行きたくないけど」
私の父は、佐久間将の父親が代表を勤めるグループ企業の重役である。
私が出席するかしないで、父の立場がどうこうなるとは思えなかったけど
考えてみれば、たかがパーティだ。
佐久間将は嫌いだけれど
何かされた訳でもないのに、ただの好き嫌いで出席しないというのは
子供じみているような気がした。
そして少し、佐久間将が怖かった。
佐久間を怒らせると何をするかわからない。
夜道で襲われるとか、想像もしたくなかった。
「まぁ…パーティに出席するだけだから」
自分に言い聞かせるようにそう言うと、
仁は意外なことを言った。
「一緒に行くか?」
「え?」