Wildcat~この愛をあなたに~
こうなったらとことんつきあい続けてやる
私は一希さんの隣に座りグラスを向けた
「私も呑みます」
「はあ?」
「それいれてください」
私は一希さんの呑んでいるビンを指差す
「おまえには呑めねぇよ」
私は立ちあがりふてくされる一希さんを後ろから抱きしめた
「大丈夫ですから」
「覚悟できてんだよな?」
「えっ···」
一希さんは笑いながらグラスの中味を飲み干した
そしてつまりこういうことと言うと私を壁に押しつけてキスをした
「俺とまんないから」
一希さんの腕の蜥蜴と一希さんが重なった気がした
私は何故か怖くなり目を瞑ってしまう
「一希、やめときなよみっともない」
帝さんは軽く笑ってスツールに座った
「ごめんなさい」
「なにが?」
「ドレスとか色々」
「代償は大きいけどまあ君の気持ちが蜥蜴くんならしかたないよね」
帝さんは帝さんなりの解釈と天秤にかけて話してるようでわかりづらい
「帝」
「なに?」
「おまえなんなんだよ」
「八つ当たりは勘弁してよ
なんなら飲み比べで僕に勝ってみる?」
帝さんはふふと余裕の笑みで言いカウンターから強そうなお酒を数本選んで並べていく
「やってやる」
一希さんは余裕の帝さんを睨みつけた
私はただみつめるだけだった
「バカな2人」
「店長さん」
「見てなよいっちゃんが必ず負けるから」
「そうなんですか?」
「いっちゃん弱いからね意外に」
確かに帝さんはハイペースで飲み干していく
いつの間にか勝負はついていて一希さんはバーカウンターに突っ伏して眠っていた
「ふあ疲れた
やっとこれで静かになった、ねっ美空?」
「あっはい」
昼間だというのに異常なお酒の量
一希さん大丈夫かな
「美空、気分転換に買い物でも行こうか?
新しい洋服も必要だしね
まあとりあえずそれじゃ外に出れないしおいで」
私は帝さんについていってお店の奥に行った
バックヤードには店の制服らしきものがかけられていた
帝さんはワイシャツとズボンを渡してくれた
「ごめん少し大きいかも」
「あっ平気です」
「着替えたら向こうに来て」
「はい」
私はゆっくりと着替え髪を束ねてお店に戻った
「髪そうしてたほうが可愛い」
「ありがとうございます」
「少しは僕にもチャンスがほしいな」
「帝さんは酔わないんですか?」
「まあね
またそうやって僕の質問をはぐらかした
君は僕のことキライなのかな?」
「キライじゃないですよ」
「じゃあ好きでもないのか」
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