あたしは君のラブティーチャー!
体育祭
梅雨真っ最中の6月。
だというのに、今日は太陽がうっとうしいぐらい照りつける快晴。
夏も目と鼻の先に迫っていることもあって、長袖のワイシャツだと汗ばむぐらい。
そんな今日は、高校生活最後の体育祭。
「よっしゃぁーー!! 絶対優勝すんぞーー!!」
体育委員の男子が教壇で声を上げると、クラスのみんなも「うおー!」と拳を突き上げて答える。
あたしの学校では、体育祭は完全なクラス対抗になっていて、学年関係なく優勝が決まる。
確か去年は、先輩である3年生ではなく、あたし達の学年のどこかのクラスが優勝していた。
それもあって、今年のうちのクラスの体育委員は、後輩に遅れを取るのが嫌で、先輩の威厳を見せてやろうと必死になっているのだ。
「朔乃が本気で走るのなんて久しぶりだよね」
体育着に着替えた星奈が、ニヤニヤしながらあたしにそう言ってきた。
あたし達2組のクラスカラーである黄色のハチマキを巻きながら、あたしは涼しい顔をして答える。
「そうだっけー?」
「そうだよ!確か、中1の体育祭以来だよ!」
よく覚えてるなー、星奈。