あたしは君のラブティーチャー!
「どんな理由であれ、前に進んでいればそのうち自分の未来は見えてくるもんじゃない?」
大宙くんは、そう言ってにかっと歯を出して笑った。
どんな理由であれ……。そうか。
はじめは陽についていっただけだとしても、そのうち自分の進むべき道というものが次第に見えてくるものなのかもしれない。
まさか、陽のライバルに励まされるなんて思いもしなかったけど、少し前向きに志望校を探せそうだ。
「ありがとう、大宙くん」
「どういたしまして」
あたしも笑顔を返すと、大宙くんは頷いて、また履歴書を書く練習に戻った。
大宙くんに会ったのは偶然だったけど、相談できて良かったな。
それにしても、大宙くんの知られざる一面を今日は見た気がする。
片親だったってこともそうだし、それに何より、こんなに親身になって相談に乗ってくれるような人だったとは思わなかった。