あたしは君のラブティーチャー!




陽も勘違いしたままじゃ、あたしに裏切られていたと、必要以上に傷ついたままになってしまうから。


でも、誤解をときたくても、陽はもうあたしの話なんて聞いてくれないかもしれない。


あの時の陽の目に、あたしはもう完全に映っていなかった……。


「ねぇ、朔乃。有明くんのほうから自分の先生になってくれって頼んできたくせに、うまくいかなかったからって、その“先生”に八つ当たりした挙句、いきなり解雇宣言なんて、ひどい話だと思わない?」


「え……」


あたしを諭すための優しく穏やかだった星奈の声が、わざとらしく無邪気で明るいものへと変わる。


そして、その顔には、何かを企むような怪しい含み笑いが浮かべられている。


「星奈?」


星奈は、ふふっと小さく笑って。



「そんな悪い“生徒”には……
みっちり“補習”してあげればいいのよ」



“生徒”というのは、つまり陽に、“補習”……?



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