あたしは君のラブティーチャー!





翌日。
あたしは、星奈に背中を押されながら、陽にメールを送った。


【今日の放課後、補習をするので帰らないように!】


件名なしで、本文もそれだけ。
有無を言わさない文面で。


メールを送ってから、陽とちょくちょく目が合うような気がした1日だったけど、返事は結局来ないまま放課後を迎えた。


帰りのSHRが終わり、クラスメイト達は各々教室を出て行く。


あたしは、椅子に座ったまま固まったように微動だにしない。


ちらりと陽の席の方を見ると、陽も同じように座ったままで、帰ろうとしている様子は見られない。


ということは、あたしの補習を受けてくれるということだ。


うう……緊張してきた……。
久しぶりに、陽と2人きりになるんだ。


みんなが帰っていきだんだんと静かになってきく教室とは裏腹に、あたしの心臓はどんどんうるさくなる。


【頑張れ、朔乃!】


タイミング良く届いた、あたしを励ます星奈のメールのおかげで肩の力を抜くことができた。



< 271 / 385 >

この作品をシェア

pagetop