あたしは君のラブティーチャー!




「……よ、陽。ごめん」


「あ、僕こそすみません。受験近いんだし、一人で静かに勉強したいですよね」


「そそそそうじゃない!」


申し訳なさそうに肩を落とす陽。
あたしが慌てて取り繕うと、不思議そうに首を傾げてきた。


「陽と一緒に勉強したい気持ちは山々なんだけど……ちょっと……この格好では無理かなって……」


こんな格好のあたしを陽に見られただけでも恥ずかしいというのに、さらにカフェなんてオシャレな場所に行って多くの人に見られるのは耐え難い。


隣にいる陽にも、恥ずかしい思いをさせてしまうかもしれないし。


でも、そんなあたしの乙女心なんて知らない陽は、さらりとこう言う。


「僕、そんなの気にしませんよ」


「あたしは気にすんの!!」


陽ってばー!何であたしはこんな奴のことが好きなんだろ!


心の中で盛大に悪態をついていると、お会計を済ませた陽が……。



< 304 / 385 >

この作品をシェア

pagetop