あたしは君のラブティーチャー!




「はい。お互い頑張りましょうね」


あたしのもとまでやってきて、さっき買っていた板チョコを差し出してくる。


それを受け取ると、「じゃあ、また学校で」とお店を出て行ってしまったので、あたしは慌てて買い物を終わらせてあとを追った。


「待って!」


陽の袖を掴んで引き止めると、振り向いた陽が目を丸くする。


こんな格好で、こんなこと言うのも、本当は恥ずかしいんだけど……。


「……これ、一緒に食べよ」


「え?」


さっき、陽にもらった板チョコをパキッと半分に割り、片方を陽に渡す。



「……せっかく会えたんだし、もうちょっと……陽と一緒にいたい……」



顔から火が出そうになるのを堪えて、言ってやった。


受験も大事だけど、恋も頑張りたい。
星奈や、大宙くんに天川さん、みんなに背中を押してもらってるんだから。


陽は、あたしの言葉に少し照れているのか、心なしか赤くなっているように見える。


でも、嬉しそうにはにかみながら頷いてくれた。



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